ミュージシャンの指先とシンガーの喉元に宿るもの
回帰への衝動
フォークロア
そしてそれを求める放浪
文明への批判
ふたつの相容れない方向
同化と
アイデンティティ
自然の中に見いだす歓びは
ミュージシャンの指先と
シンガーの喉元に宿るもの
それは手法でありソウル
それぞれのソウルたち
正しいところへ回帰して
主要な脈動を感じよう
そして
クロイチゴの花の香とともに
永遠の一瞬を共有しよう
回帰への衝動
フォークロア
そしてそれを求める放浪
文明への批判
ふたつの相容れない方向
同化と
アイデンティティ
自然の中に見いだす歓びは
ミュージシャンの指先と
シンガーの喉元に宿るもの
それは手法でありソウル
それぞれのソウルたち
正しいところへ回帰して
主要な脈動を感じよう
そして
クロイチゴの花の香とともに
永遠の一瞬を共有しよう
高田渡の歌に『年輪・歯車』というのがある。『年輪』という有馬敲の詩と『歯車』という山之口貘の詩をくっつけた変わった歌だ。前者は「ふと彼に出会って…ふとキスされて…ふと彼が好きになって」、そして最後にはひとりぼっちになったことを感じる。後者は「靴にありついてほっとして…ホッとしたかと思うとズボンがボロボロ。そしてズボンにありついて」最後には元に戻るという詩だ。人生はまわりまわって元に戻るというような、人生の悲哀がその二つの詩には共通していて、渡の目はそのことを偶然の一致の出会いのように喜んで、多分歌にしたのだと思う。その悲哀を陽気に歌って笑い飛ばすかのような渡の歌が好きだった。そして最近それらの詩に、すこし違う意味を見い出した。『座布団』ではないが、安楽を求めて、あるいは自分の居場所を求めて、人はあくせくその空間を広げ働き、生活する。そしてやっと落ち着いて、一杯酒でもやろうかなんて思っても、そんなのも長く続かない。また自分の座ってる居所がなくなっていることに気付いて、その恐怖にお尻を叩かれてまた、自分の居場所を広げようとあくせく頑張らなくてはいけないのだ。それが繰り返し続くのが人生、ととらえるのか、あるいは人生とは常に戦いの連続であり、それを止めてしまうことの警告なのか。今ある場所に安住しよう思ったとたん、受け身になり守りに入る。そこから腐敗は始まり、自分の居場所がなくなるまでそれに気付かない。そしてまたそれによって次の上着を求めて、心を入れ替える。たまには涙を流し…。その涙が実は生きてる証なのかな。なんて、この歌に前向きな意味を感じる今日この頃。
その子は会社にギターを持って来た。
ハードケースに入れて。
誰かが言ってた、
面白い変な会社。
それこそ望むところだ。
それは、6時過ぎにやってきた。
ミニミニコンサート。
社長が彼女の前にビールを飲みながら
陣取っている。
ギターの調弦がはじまる。
なんだなんだと皆がステージ代わりの
応接机の前に集まってきた。
恥ずかしそうに、なかなか歌わないが、
静かに始まった。
4拍子のアルペジオにのって。
「♪半分、それはサイレント
♪半分、それは道端に揺れる草の影」
歌われることを意識しないで
作ったので、詩の順番がかわっている、
そして語尾やいいましも。
それがまた面白い。
それになんて言っても
自作の詩が歌われるななんて
はじめての経験だ。
ほんと、フォークソングぽい曲だ。
もう何回か聞いたら自分も
歌えて弾けそうだ。どうもありがとう。
なんか勇気をもらったみたいな気がする。
そして、みんなも意外な
尊敬のまなこでその子のことを
見ていて拍手を送っているのだった。
そして作詞者の自分としてもちょっと
鼻が高いのだった。
音やその雰囲気を伝えられないのが残念である。
以前、『半分、それは…』という詩を書いたことがある。
そしていつだったか、
仕事で自分が面接をした娘がいた。
その娘は、やはり癒し系だった。
一人のところ、二人採用という事になって
それからまじめに来ている。
みんなにとけこんで微笑みを振りまいている。
その人が自分のこの詩に曲をつけてくれた。
趣味で作曲をするという事を聞いたので、
いくつか詩を渡した。
そしたらそのうちのこの詩に曲を付けてくれたのだ。
うれしい。
どんな曲なのか音符が読めないので
まだわからない。
なにやらフォーク調に仕上げてくれたらしい。
どのように皆さんに伝えたら良いか
乞うご期待ください。
とりあえず、詩を再びのせることにします。
『半分、それは…』
半分
それは沖縄の照り返すような光
それは一本道の道ばたに生えてる名もない草の影
ゆれる草の影
果てしなくどこまでも続く消失点
風が道の砂を巻き上げ
空っぽの心に
ライクーダのボトルネック奏法
半分
それはサイレント
それはフリーダムジャズ
静かな深い湖
何処へゆこうとするのか
とりとめのない騒音
ニューヨークの闇と
ソーホーの犬の糞
自由なアーティスト
半分
それはポジ
それはネガ
すぐそこまできている花の宵
花の陰に揺れる恋人たち
その匂いにむせる心と心
涙を流したあの丘
半分
二つのコントラスト
二つのアンサンブル

ふじみ橋
たかの橋
さんの橋
川沿いの道を散歩していると
200メートルおきに橋が架かっている
その橋にはひとつひとつ名前がつけられ
コンクリートでかためられた
あんまり個性のない橋や橋
あるいは面影橋なんて
昔から人々の暮らしに深く
関わってる橋もあるだろう
上流から更に下流
海にたどり着くまで
いったい、いくつの名前の橋があるのか
よくもまあたくさん付けたものだ
名前がなくなりはしないのか?
しかもそれらの橋の下を流れる川は
無数にある
その川にもそれぞれ名前があって
その川が流れる街にも当然名前がある
昔から変わらない名前の街もあれば
最近変わった名前の街があるかもしれない
その街にはたくさんの人々が住み
たくさんの家やビルがある
その家やビルにも当然一つ一つ名前がついている
しかも立派に金属で出来たものまである
そんなふうに考えると
本当に名前ってなくなりはしないのか?
と心配になってくる
それに、こんなことまで浮かんでくる
たとえば今使っているパソコン
本体の中にはいくつかの大きな部品にわかれている
それにも名前
その大きな部品は小さな部品の集まりでできている
その小さな部品にも、僕の知らない名前がついているはずだ
ああ気が遠くなる
街は市になり県になり国になる
国が集まって地球になり
地球の外に目をやると
月や火星や太陽やそんな星があり
その無数の星のひとつひとつにも
M68星なんて名前があったり
もっと引いていくと
銀河やブラックホールだの
わけのわからないものがあり
さらにそれは宇宙そのものになり
その存在すべてとおなじくらい
名前がつけられている
いや存在しないものにまで
名前がつけられている
ああ、気が遠くなる
人間てよくもまあ……
そんななかに
ぼくという存在がいて
確かに名付けられているものがあり
なんとかその
名前に応えようと
人を好きなったり
嫌われたり
その度に
喜んだり悲しんだり
そんなことをしながら
ぼくは生きてるよ
と名前も知らない誰かさんに
呼びかけたりしているのだ

花ニラやチューリップや
紫はなんだろう
黄色は?
花と春がわかちあう
雨と風と光の底
春は春を謳歌し
立ちどまらないものの
流れが聞こえてくるみたいだ
あそこからも
ここからも
そして
命のモーションは
いつだって深く大きい

この木は
あのときの
思い出の木です
昔からそこにあって
あのときも
そして今も
これからも
あの木は
これからどんどん
伸びていく木です
そのふたつを
並べてみました
どちらも
お金にはかえられない
とても
かけがえのないものです
あの頃、僕にとって世界は暗黒だった。世界は僕の目の前に、海よりも広く大きな暗い口を開けていた。手足は恐怖で震えて、いつも鉛の生き物をその内に飼っていた。世界は暗闇で、その入り口で足をすくませ、夢というもう一つの世界に逃げ込もうとしていた。その夢は、輝かしい未来なのでは決してなく、もう一つの別の暗闇だった。湿ってはいるが、本当の暗闇から逃れられる唯一の、光だった。たとえばそれは、雨雲がたれ込める大海原の空に一条だけこぼれる光であり、まるで冬の津軽の冬の海岸を旅しているときに出会うようような、めずらしい光だった。それは暗黒そのものから、決して遠くにある訳ではなくて、ただそれよりは少しは諦めよりも対岸にあって、ほんのすこし暖かくほんの少し希望があった。たとえばそれは悲しい詩であり、同胞の匂いであった。そして僕はそちらへとりあえず歩いてみることにしたのだった。

思いを
言葉に
出したいけど
涙
言葉にだせないので
涙
思いが
言葉で
届かないので
涙
思いを伝えたいのに
隠すために
涙
たくさんの
思いが洪水のように
詰まってる
涙
本当は
君と共有したいのに
涙
それは
綺麗に洗い流してくれる
涙
だからたっぷりと
泣くがいい
魂が洪水のように
きっと届くさ

城下町の
鄙びた朝の
停車場の
ベンチで
登校する
汽車を待つ
少女が
二人
センセイや
同級の
男達のことを
密かに
土地の
言葉で
話してる
その裏で
詩人は
聞く
その方言の
美しさに
胸を打たれ
その土地を
知る
まだ
浅き
光のなかで
千の秋が深まり
そしてお濠には
白いボートが
浮かんでいた

おはようとか
おやすみとか
話しかけてみる
なにも変化はない
いやきっとある
きっとあると
信じてる
さぼてんにも
きんぎょにも
今日はつらかったとか
今日は嬉しかったとか
たぶん
だれかみたら
変に思うだろう
でもよく考えても
みたまえ
さびしいとき
だれかに話しかけられたときのことを
かつてさぼてんは
海をわたって
彼に会いに来たことだって
あるんだぜ
足もないのに

池の周りの木道は
みんなの散歩コース
おじさんや
おばさんや
ワンちゃん
おねえさん
おかあさん
かめらまん
分けわかんない人
なんとなく歩いてる人
ダイエットをしてそうな人
暇そうな人
くらい人
明るい人
涙のひと
若いカップル
老人のカップル
そんなみんなにも
平等に秋の光は
確実に降り注ぐ
そしてぽやぽやした僕の心の葉っぱも
秋の光をいっぱいに透かしている
光で出来た
空いっぱいの
メロディを君にあげたい
な〜んちゃって
![]()
この紅い色の中に私は収まっている
私は青いキキョウにはなれない
なりたいとすごく思うときもある
キキョウはとても綺麗だから
だから私は泣いてみる
世界から切り離されて
たったひとりぼっちで咲いていると
紅い川のように
よどみなく涙はながれる
でもそれでいい
私は私にとどまらず
泣くことで新しい私があらわれる
それは古い私を棄てる儀式
涙は流すためにある
それは生きるための証
そして私は紅い涙をながす
そして私も紅い
そして私も恋う
吾(われ)も紅(こう)
長倉洋海 TEARS涙—誰かに会いたくて より着想
花は
咲くべき時に
咲き
散る時に
散る
水は
ただ
流れるべき方向に
流れていく
あたえられた
流れに乗って
自然を
発見すれば
孤立と孤立を結ぶ
内なるネットワーク
そして現代の
ターニングポイント
宇宙を横切って
いのちの働き
それは自然の原理
香しい花は散り
あらゆるものが
時間とともに
変わっていき
流れにしたがって
変わってゆく
だからこそ
今 この一瞬の大切さを 僕は学ぼう
言葉の葉は茂り
あらゆる人が
あらゆる人の
命のあふれるすべてを
理解するなんて
できっこない
だからこそ
ほんの少しでも
わかりあえることを 僕は喜ぼう
日の光と影はゆれて
今 歩いているこの道に
存在するすべてのものも
陽炎のようにゆれて
つかまえることなんて
できはしない
だからこそ
ほんの少しでも
いまあるものの 大切さを僕は感じたい
それは気持ちであって
結果ではない
あらゆるものから解放されて
色づきはじめたフィーリングは
風とともに いつでも そこにある
ずっと遠い昔から
君が とても 遠いとき
それは わたしが 背伸びを
しているとき
君が とても 遠いとき
それは わたしが わたしの 重さを
片目をつぶたまま かぞえているとき
君が とても 遠いとき
それは わたしが 醜く震える指を
隠そうとしているとき
君が とても 遠くで歌うとき
それは わたしが 思いを伝える術を
知らないとき
君が とても 遠くで輝いているとき
それは わたしが 暗い荒野に
呑み込まれそうになっているとき
頼りなく 震える わたしの 命を
そのままに 静かに 柔らかく ひらいて
繋がることは できないのだろうか?
今、咲き香る 花々と
そして 君と 宇宙と
この香しい四月の夜に
![]()
face
道ばたに揺れる
ライオンのたてがみ
リヤカーにぶら下がる
花売り娘の声
悲しみを忘れない樹液の涙
四月の花嫁
風に吹かれて
中庭のダンディ
きらめく四月の光に
灯台が輝く
花咲く冒険
一冬の記憶に
むせかえる
日向の匂い
それは
タンポポ
ほこりもりも高く
それは
ライオン
![]()
face
![]()
尻屋崎の「寒立馬」
半分
それは沖縄の照り返すような光
それは一本道の道ばたに生えてる名もない草の影
ゆれる草の影
果てしなくどこまでも続く消失点
風が道の砂を巻き上げ
空っぽの心に
ライクーダのボトルネック奏法
半分
それはサイレント
それはフリーダムジャズ
静かな深い湖
何処へゆこうとするのか
とりとめのない騒音
ニューヨークの闇と
ソーホーの犬の糞
自由なアーティスト
半分
それはポジ
それはネガ
すぐそこまできている花の宵
花の陰に揺れる恋人たち
その匂いにむせる心と心
涙を流したあの丘
半分
二つのコントラスト
二つのアンサンブル
![]()
face
花売り娘を探そうとして
思いでの中を帰ろうとするたびに
僕は内なる階段を降りてゆく
エンドウの花が
風に揺れている夕暮れ
呼びもしないのに
やって来るまやかしの言葉に
酔ってしまった桃色の頬は
世界の確かさにその模様を広げる
僕は悲しいレモン水を
一気に飲み込んで
故郷の鉛の空に
たった一つの心を鳴らした
![]()
face
四月はギターだ
さらば路に降る樹木の涙よ
樹液に花嫁の観念をつけて
この爽やかな川を渡ろう
すでになくしてしまった言葉に
血の雨がささやく
そして花嫁の影は後ろ向きで
椿の花のようにぽつんと落ちてしまった
昨日の蒼空を
ペインティングナイフのように
引き裂く君の震える唇
桜の実が熟れる頃
歌うのをやめない魂の草むら
遠くにいってしまった
観念した花嫁よ
夕焼けに染まった雲雀のように
どこまでも
世界がそのままで綴じてしまわないように
鎖の花束をその高き蒼空に
投げつけてくれ
もうすでに失われようとしているその瞬間に
![]()
face
外界はまるで箱庭だね
面白いものが手に入った
どうだい君も覗いてみるかい
外界は一番大きいはずなのにやっぱり箱庭だ
片目をつむって覗いてごらんサザンクロスのついたやつでね
そこはそことは全く違う
そこよりはずっと大きいのが
そこを大変に小さく見せるのだ
君の飼い慣らされた瞳はうすっぺらな四角い窓のついた
紙一枚の違いで
どぶ川の臭いが桃色の二つのリングになるのに
きっと腰をぬかすに違いない
どうだいご感想は
君はそのサザンクロスのついた四角い窓に鼻を突き出すほどに
近づけたって赤い舌をべろべろ出したって
ちっとも何ともないそれどころか
君のその瞳は両方のはじっこについているものを使って
絵の具皿に絵の具を盛り上げているところだ
虹の消えるのをだだをこねるみたいに
君は空にフィキサチーフをかけたりしそうで
それ以来君の片方の目からうすっぺらな青い万華鏡は
姿を消すことはなくなった
それ以来君のもう一つの片目は自由のダンスを踊っている。
沈黙と戦った貧しい魂
眠りについた月夜の陰に
ちらりと顔を見せ
犯したガラスのビンは遁走した
廃船の中で鉛の空見つめてる
青年の宿はここだけさ
五能線のディーゼルの中で
さがしていた娘はもういないよ
空間と時間を超えていったんだ
君の長い髪は
ギター持ってるあいつに
あいそつかされちゃった
可愛そうに僕と同じだね
face
「仙人荘」たる若者の
宿なるそこの
緑猛爆の光と陰
白色光なる洞穴
急げ! 急げ!
足にかかる負担よ
息を切らせて
幼子の息吹を
真っ赤な血で染めるな
風よ頬を撫でるな
今こそ独りでいるときなのだ
まとまりのつかない脳味噌は
そんなセンチメンタリズムは
棄てちまえとダーダー頷く
ああなんという小気味よい響きよ
道端の青草どもまでも
蒼ざめた彼方までも
ふるわせてしまえ
下着一枚の少女は
伏し目がち
青臭い息のす棄てどころ
ここは言うに言われぬ
秘密所
街へは行くな
土に首まで漬かって
明日の悲しみでも
数えてなさい
昨日の楽しみなんか
とっくに忘れてしまってさ
ある人に捧ぐ
な〜んちゃって