薫玉ラーメン事件
先日、家族でラーメン店に行ったときの話。お店の前の幟のラーメンがおいしそうで、僕は入る前からその薫玉ラーメンに決めていた。メニューを見るふりをしたが、それは意味がなかった。息子は味噌ラーメン、カミさんは普通のラーメンをそれぞれ注文した。が、気が変わったカミさんはトッピングに薫玉を追加で注文した。しばらくするとお店の人が「薫玉ラーメンの方?」というので手を挙げた。それぞれがそれぞれの注文した品を食べはじめた。職場の近くのちゃぶ屋のラーメンよりは落ちるがまあまあおいしいラーメンだなと思いつつ、ちゅるちゅる麺をすする。自分は結構食べるのが速い。あっという間にたいらげてしまった。息子やカミさんはまだ半分くらい残っている。と、なんかが足りないことに気づいた。そう、薫玉が入ってなかったのだ。「あれ、卵が入ってない」と、僕は低くつぶやいた。それを聞いたカミさんが反応した。「ほんと? じゃあ私が言ってやる」「あっ、やばい」なんかヒートしそうだなと思ったら、もう店員さんに食ってかかってしまった。けんかを売られたようなものの店員も「僕は入れたのを確認しました」などと応戦している。「ああ、始まってしまったか」と思いつつそのやり取りを聞いてるうちに、ヒラめいた。カミさんに「卵もう一つ入ってないか?」と聞いてみた。言われた通りラーメンのなかをかき回すカミさん。顔色が変わる。「あっ。あった」。なんとカミさんのラーメンに卵が二つ入っていたのだ。これで消えた卵の行方がわかって一件落着? と店員さんは引っ込んで行ったのだが、なんか今ひとつ納得が行かない。僕は二つ入ってる卵のうちの一つをもらい、情けない思いを抱きつつその卵を食べたのだった。「なんと小市民的なやり取りなんだろう」。冷静に考えれば店員さんが自分とカミさんの注文の品を間違えたことにあるのだ。支払いを済ませるレジでその店員さんは「どうもすいませんでした」と謝ってはくれたものの、なんとも小市民的なセコい自分達のこの暮らしを思い知らされた一日の締めくくりだったのだ。トホホ。でも美味しいのでまた行ってみようとは思うのだった。







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