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2015.08.29

ハヤカワ文庫、ピーター・メイ(青木創:訳)『さよならブラックハウス』(2014年9月10日文庫初版)を読んでみた。

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 近くのBook offの推薦の棚に置いてあった。普段ミステリーモノはあまり読まないのだが、スコットランドのルイス島を舞台に、その周辺の住民の生活やら気候風土、風習などと相まって主人公のフィン・マクラウド(エジンバラ市警の警部)の過去と現在捜査中の事件が交互に交錯して物語が進んで行く。その辺が興味深く、どんどん物語に引き込まれていく。解説を読むと「一人称と三人称の章を交互に組み合わせ、過去と現在を順々に語ることによって物語の臨場感を高めている」とあるが、まさにそのことによって読者はこの物語にすぐに引き込まれるのだろう。
 スコットランド、ルイス島ストーノーウェイに関して全く予備知識もなく読み進めたのだが、自宅に居ながら一人で海外旅行をして、小さな島のバーで偶然隣の席に座った人と友人になってお酒を飲みながら彼の半生に静かに耳を傾けるといった感があった。
 googlemapのストリートビューで街を散策したり、その地方の風習で「グーガ狩り」(その地方では、シロカツオドリの幼鳥を捕まえて食べる風習がある)をネットで調べたり、何重にも楽しめる作品であった。「グーガ狩り」に興味のある方は「sula sgeir」「guga hunt」でググってみて欲しい。本書はイギリスで100万部のベストセラー、フランスでは3文学賞を受賞している。

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