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2012.10.23

そして十二・三年後にサンタフェで出会った夕焼けによって、ノルウェイの森


『ノルウェイの森』のなかで、永沢さんの就職祝いをハツミさんと僕との三人で祝った後、タクシーで渋谷に向かう途中「彼女が僕の心の中に引きおこす感情の震えはいったい何なんだろうと考えつづけていた。しかしそれが何であるのかはとうとう最後までわからなかった。」と僕が思う。そして十二・三年後にサンタフェで出会った夕焼けによってそれが何であったのかを理解する。「それは充たされることのなかった、そしてこれからも永遠に充たされることのないであろう少年期の憧憬のようなものであったのだ」。自分にとって、そんな風に女性を感じたことがかつてあっただろうか? …だからわからなかったのだと思う。
「彼女はだから特別な存在であり、誰かが何としても彼女を救うべきだったのだ」なるほど。それは「僕」の一部でもあり、救えなかった「かつての僕」もそこにいたのだともいえる。そして「僕」はおそらくハツミさんを失うと共に、その「心の震えを」その生において喪失してしまったのだ。この本を読むのはこれで4回目。今回はこの部分が非常に印象に残った。

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