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2006.11.03

『朗読者』を読んでみた

今度はドイツ文学。最初はよくある恋愛小説? かなと思いながらその心地良さに浸っていたが、途中から趣はがらりと変わる。食事をするのももどかしく、一日であっという間に読み終わった。
黄疸で気分が悪くなった主人公ミヒャエルは介抱してあげたきっかけで、二人は出会いそして恋に落ちる。
ハンナはミヒャエルより21歳も年上だ。彼女の求めに応じて、ミヒャエルはハンナに様々な物語を朗読して聞かせるのだった。ところがある日、一言の説明もなく彼女は突然、失踪してしまう。その数年後、偶然にも法史学者の学生として裁判所で、偶然にハンナに再会する。そして彼女の暗い過去を知ることになる。彼女はナチスの戦犯であった。特に裁判の様子を描いた部分で「左利きだというこを告白しない限り、有罪になってしまう被告がいる。犯行は右手によるもので、左利きならその犯行はあり得ない。しかし彼は左利きだということを恥じている。君は裁判官に、何がどうなってるかを言うかい? 考えてご覧よ、彼はホモで、その犯行はホモでは行い得ないのに、ホモである事を恥じている。左利きやホモを恥じるべきかどうかという話じゃないんだ。考えてご覧、被告が恥ずかしがっているということが問題なんだ」と。これはあくまでもたとえなんだけれど、ハンナがもっとも恥じている事、そこがこの物語の重要な部分だ。
胸を締め付けるような哀しい恋愛小説だと思う。村上春樹の『ノルウェイの森』も胸苦しい純愛の物語だったが、それとは比較はできないが、これもまた切なくなるような愛の物語だ。『朗読者』というタイトルが読み終わった後になってなるほどと切なく迫ってくる。世界20カ国で翻訳され、アメリカでは200万部も読まれた大ベストセラーらしい。

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コメント

きょうハンナの、求めへ食事しなかった?

投稿: BlogPetのponnta | 2006.11.04 18:59

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