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2006.10.27

文京区と村上春樹

晴れた日の昼休みは、愛妻? 弁当を食べ終わると、BGMのCDを借りに職場の近くの図書館へ行くことが多い。三丁目坂を上って、ヒーコラ住宅街を右に左に庭先の花なんかを眺めながら歩くと、その図書館はある。今日のCDを借りてふと棚を見ると興味のあるチラシ発見。村上春樹の書いた小説の舞台となった場所がイラストマップ付きで紹介されていた。例えば「和敬塾」。主人公の“僕”が大学に通うため上京して約2年間住んでいたところ。物語のなかに和敬塾という名前はでてこないが、おそらくこの寮ではないかと思われる(『ノルウェイの森』『蛍・納屋を焼くその他の短編』「蛍」)。かなり広い敷地をもつこの寮は、『村上朝日堂(エッセイ)』にも登場する。ここでは、大学に入りたての半年間住んでいたと書かれている(『村上朝日堂』「引っ越しグラフィティ(3)」)。それから都電(19系統 王子駅前〜通三丁目)。大学に入った年の春、“僕”にとって唯一の友人だったが、高校2年で自ら命を絶ってしまった“キズキ”の恋人“直子”にばったり出会う。そして“僕”と“直子”は、中央線 四谷駅→飯田橋→お堀ばた→神楽坂と歩いてきたあと、本郷にでて、この都電沿いに駒込まで歩く(『ノルウェイの森』『蛍』)。そして椿山荘。“僕”とは寮で同室の友人“突撃隊”がある日コーヒーのびんに入った蛍をくれる。その蛍は寮の近くのホテルで客のために放したもの。そして蛍を、夏になると放すホテルというのがこの椿山荘(『ノルウェイの森』『蛍』)。
上下に分かれていて緑と赤のカバー。金の帯がクリスマスらしい装丁。どんなつながりがあるか? わからないけれど、友人に勧められて読んだときの衝撃は激しいものがあった。その後ひと月くらいはご飯もノドを通らないくらい胸苦しかった。ただの恋愛物語ではない。そして今、ゆかりの地を散歩していると、あのときの気持ちがリアルに蘇ってくる。そして何処までも青い秋の空と庭先の何気ない花。
噂によれば今年、ノーベル文学賞を取り損なったらしい。

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コメント

faceさん、おはようございます!
東京の街は坂とか橋とか地名を見て歩くと楽しいですよね。文京区を歩くとき何故かせつなくなるのは、村上春樹さんを読んできたからかも。村上朝日堂、引っ越しグラフィティはおもしろくて何度も熟読しました。結婚して最初は奥様の実家の布団屋さんの千石に住んだとか。

話は文京区から急に飛びますけど、この前、歩いていたら都立家政という駅に出て、このあたりに村上さん暮らしていたんだと思ってうれしくなりました。
賞といえば昔、芥川賞をとるとかとらないというときも村上さんの周りは慌ただしかったようです。歴史は巡るものですね。
最近、そういう胸苦しい小説に何か出会いましたか。ではまた!

投稿: chiiko | 2006.11.02 06:35

こんばんは、chiikoさん。
返事が遅れてすいません。

そういえば、chiikoさんのblogでは
文京区の坂道をたくさん紹介されてましたね。
やはり村上春樹の影響なんですか?
なんとなくわかる気がします。
『ノルウェイの森』のゆかりの地を
歩き回っていると、はやり物語の切ない気持ちが
思い出されてきます。
そしてあの本を読んでた頃の時代を
懐かしく思い出します。
「村上朝日堂、引っ越しグラフィティ」は
まだ読んでないですが、今度、是非読んでみたいです。

都立家政は自分の家から遠くないです。
車で5分か10分くらいのところで、
何度も通ったことがあります。
なんでも確か「黒テント」という芝居小屋があるらしく、
一度自分も見学したいと思っています。
装丁家の平野甲賀さんが芝居のポスターとかで
活躍されてたんですよね。
ところでchiikoさんはお休みには
あっちこっち散策されるのが
お好きなんですか?

最近、というか今日読んだ
「朗読者」という本は
なかなか良かったですよ。
「ノルウェイの森」にはかなわないかも
しれないけど…。
chiikoさんはどんな本に巡り会いましたか?

投稿: face(chiikoさんへ) | 2006.11.03 21:34

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