星〈有刺鉄線〉夏
香月康男の「シベリア画文集」を観て思うところがあった。戦争でシベリアの収容所に過ごしたときのことをまとめたのが「シベリアシリーズ」で、画文集がでている。そのなかに、星〈有刺鉄線〉夏という作品がある。つかの間の夏は、つらい収容所生活のなかでもこころ和ませるものだったらしい。「汗臭い収容所をぬけ出して、涼しい外で寝そべっていると、一つ二つと星がまたたきはじめ、見る見るうちに満天星の響宴となった。日本へつながる星の美しさにひたっていても、囚われの身の現実を忘れ切ることは出来なかった」とあった。星ではないが櫻の花が見頃になって、思うことは、自分もまた囚われの心をやはり忘れることができない。おそらくそれは自分自身のなかにあることなのだろう。












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