♪思い出しておくれ
とうとう、土曜も日曜も仕事になってしまった。悲しくなってきた。でもしかし、考えを変えて今日は、誰もいないので、フォークソングを聞きながら一日仕事をしようと考えた。そして思った。生活、労働、戦争、恋い、なんでも唄っていた彼等の事を。今よりずっと純粋だった時代、そして学生たちの事を。
思えば1960年代後半は、世界各地で学生たちが立ち上がった時であった。まるでユングの集合無意識を証明するかのように。フランスではパリ大学で大学の制度や施設の改善を求めた事がきっかけとなって、カルチェラタンにバリケードが築かれ、「5月危機」に発展した。アメリカでは、ベトナム戦争に反対する学生のデモが繰りかえされ、日本では安田講堂で全共闘が組織され、東大紛争が過激化した。教育の権力からの解放といことを含め、人間に潜むエゴをどうやって勝ち取ろうかという学生たちの行動であった。大学解体が叫ばれ、公害を生み出す社会の仕組みに、大学や学生たちが組みしているのではないか? と問題を投げかけた。しかしある意味、しかそれは、一方では暴力に訴えるセクトへ…、もう一方では個人の内面へ入って、内省していくきっかけであったのではないか。そんな時代の流れと共に、フォークソングは、時代そのものを唄い、ある時は地下に深く流れ続け、そして今世紀、再び伏流水となって湧きだした。
『僕の倒れた砂浜に 今ではミサイルの基地が建ち 今日もベトナムを目指して B52が飛んでいく 思いだしておくれ 、僕を 爆弾が大地を揺らす時 僕の死は無駄だったのか 思い出しておくれ、僕を 今この時に』と唄うこの「思い出しておくれ」という曲や『ひとつの青空 ひとつの青い海 ひとつの地球 かけがえのない 愛しているなら もう一度やってみよう 虹の民よ 滅びぬように』と唄う「虹の民」なんかを聞いて、あの頃の学生たちが、立ち上がろうとし、何かを見つめようとしていた時代に、心を馳せることができた。もう一度、今を、そんなふうに生きることはできないのだろうか。
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