フィエスタ

ジャック・プレヴェールといえば先にも書いたが、『私は私よ』という曲の方がなじみが深い。これは、ノリに乗れる曲だが、この『フィエスタ』という曲は渡のなかでは異色だと思う。異色ではあるが、シバの曲で名前は忘れたが、「♪ロックグラスに流れる星は〜♪」という曲に似た感じ。この曲『フィエスタ』。♪グラスは 空っぽ 瓶は壊れて ベッドは広々 ドアは閉まって グラスの星達 勢揃い 幸せの…♪」とい歌詞。こんなテイストを好む渡の一面を逃さず捉えるハコのアンテナはやはり当時から異色といわざるを得まい。自分の感じからいえばシバのテイストを女性のテイストに置き換えた感じ。この『トリビュート』のコメントで彼女は、「年は流れ、いろんなことを経て、すっかり痛んでいた私の心に、渡さんはレコードと同じ声で“大丈夫?”などと言ってくれたのでした」とまた「渡さんとビリー・ホリデイとアマリア・ロドリゲスを一緒にして、ハコにしようと思ったのです」とコメントしている。
70年前半。僕もハコを聞いた。『飛びます』というLPを買った。それはとにかく暗かった。でもその暗さが僕の暗さを救ってくれた。森田童子は、『高校生教師』で再びブレイクした。あれからハコはずっと歌い続けて来たに違いない。その間を僕は知らない。off noteの神谷君は彼女とじっくりと話したことがあると僕に語ってくれた。とにかく、80年代という、フォークシンガーにとっては魔の時代を通過して、歌い継いできた渡や彼らの仲間のスピリッツが今世紀になって、当時線香花火のように散ったものが再び百花繚乱のごとくまた咲き乱れる。そしてハコもまた、その異色の花の魔力を今、ぷんぷんと振りまいている。
| 固定リンク









コメント
おはようございます。
ファドとジャズとの融合♪
体温が伝わってくるような
音楽っていいですね。
明るくても冷たい曲より、
暗くても温かい曲が好きです。
投稿: melas | 2004.12.12 10:03
こんばんは〜、melasさん。そういえばいいものは、タンゴと限らずズージャから演歌までジャンルを超えて聞かれるんでしたね。『アマリアロドリゲス』や『奇妙な果実』なんかも聞かれるんですね。自分もやはり冷たい曲よりは、暗くても暖かい音楽が好きです。落ち込んで時は明るい曲は受け付けません。お前もそんな悲しみがわかるのか? なんていう曲の方がいいときもある。だから音楽は明るい曲も必要だし暗い曲もいいもんだ。生活者と共にあるのが生きた音楽だと思うし、そうやって生きていくのが人間なんだと思います。そして流した涙の後に新しい自分が現れる。な〜んちゃって。くさいくさい。
投稿: face(melasさんへ) | 2004.12.12 20:46
ならです。
トラックバック返し、有難うございました。
プレヴェールですかぁ、実は殆ど読んだことがないのです。
なのですが、プレヴェールの紹介者として知られる翻訳家・小笠原豊樹の
詩人・岩田宏としての仕事に興味をもつようになりまして
(参照:http://blog.livedoor.jp/jnara/archives/9487156.html)
プレヴェールも読んでみようかなぁ、と思っているのです。
ところでプレヴェールの代表作『ことばたち』の初の全訳が出版されたそうですね。
訳者がアニメ作家(?)の高畑勲ということに驚かされましたが
フランス文学の専門家も驚くほど詳細な注がついているのだそうです。
それにしてもプレヴェールあり菅原克巳ありとは、高田渡は深いですねぇ。
投稿: ならぢゅん | 2004.12.14 13:00
じぶんもプレヴェール読んでないですよ。ただ、高田渡が好きで、歌を聞くうちにいろんな詩を覚えてたていうのがあります。みんな渡が教えてくれました。なかには、詩人と言えるかどうか、永山則夫なんていう人の詩にまで曲をつけ歌ってます。『ミミズのうた』とか。
投稿: face(ならぢゅんさんへ) | 2004.12.14 21:20