« 海から山へ | トップページ | BLACK EYE LADY »

2004.12.02

ただものではない

戦時中、倉本聰さんが集団疎開で山形上ノ山へ行ったときの話。その翌日にチッキで親たちが送った荷物が届いた。その中に緑色のどんぶりが入っていたらしい。それを見てガキ大将が「ア、金隠し色!」と叫んだ。昔は便器は緑色と決まってたらしい。それで問題が起きた。食事時、金隠し色のどんぶりの持ち主が、それを自分のものと思われるのが嫌さに、人のどんぶりを取ってしまうらしい。それで誰かひとりあぶれる。とうとう倉本さんがそのどんぶりで食事をすることが度重なって、何度も泣きそうになったというのだ。でも倉本さんは書く。本当はもっと悲しかった少年がいたはずだと。両親の送ってきてくれたやさしい緑色のどんぶりにさわれないで、そのことに傷ついた人がいると。そんな視点を持ってる倉本さん。やはりただものではない。(『いつも音楽があった』倉本聡より)

|

« 海から山へ | トップページ | BLACK EYE LADY »

コメント

いいお話ですね。
心がほっこりします。
倉本さんの視線がうれしいです。
私もそういう見方ができる人になりたい。

投稿: きむらいあん | 2004.12.03 00:17

こんにちは!
ひとりあぶれるって悲しいですよね。
倉本さんのこの話を読んで、私は吉野弘さんの「夕焼け」という詩を思い出しました。やさしい心の持主はなかなか美しい夕焼けを見ることができないという話です。
ところで、私、チッキという言葉を初めて知りました。
あと緑色ということも。では、また!


投稿: chiiko | 2004.12.03 16:02

こんばんは、いあんさん。
右に同じく、自分もそんな視点を
いつも持っていたいです。
そんな視点から生まれる
数々のドラマ。
また見てみたいですね。
最近では
『おもちゃの神様』というのが
よかったです。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.12.03 22:11

こんばんは、chiikoさん。
チッキですか? 自分もよく知らないんですけど、
荷物の切符みたいなもんでしょうか。
吉野弘さんの『夕焼け』ですか〜。
「そしていつものこと電車は満員」というやつですね。
教科書に載ってました。しかもなななんとあの高田渡が
その詩に勝手に曲をつけて歌ってるんですよ〜。
ご存じでしたか〜。鼻歌でよく歌います。「美しい夕焼けも見ないで」。緑色というのは自分も知りませんでした。ちょっと想像しようと試みましたが、想像できませんでした。

投稿: face(chiikoさんへ) | 2004.12.03 22:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11585/2135598

この記事へのトラックバック一覧です: ただものではない:

» 金曜日のすごい人たち [矮猫亭日乗II]
昨日は3人もすごい人に出会った。 まずは昼下がりの山手線の中。2歳くらいの女の子 [続きを読む]

受信: 2004.12.04 22:48

« 海から山へ | トップページ | BLACK EYE LADY »