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2004.11.17

春はあけぼの

吉田拓郎の昔の歌に「明るい朝の光より夕焼け雲の色が好き」というのがあった。話は全く変わるが、清少納言という人は季節のうつり変わりの素晴らしさに惹かれた人らしい。「春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる」という『枕草子』。春の風景のなかで人を引きつけるものはたくさんあるが、そのなかで彼女は夜明けの山際の空の微妙な色や雲に心をひかれたのであった。「一見自分の好き嫌いで『をかし』『わろし』と書いているが、それは価値評価ではなく、喜びがどんなものに最も強烈に感じられるか、の告白とみられべきだろう」とあった。彼女は知性の人であるよりは、感性の人であったらしい。吉田拓郎の歌にもそれは感じられる。虚栄心も野心も競争心もなく、ただ季節の移り変わりを贈り物として受け取る。そんな風に感じ取れる人は素晴らしい。そんな風に季節を感じることで無感動な惰性的な生活から救われ、日常の外に出ることができる。

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