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2004.10.23

『サヨナライツカ』を読んでみた

『サヨナライツカ』を読んでみた。少し前に『目下の恋人』のなかの『好青年』というのを加筆した小説。読んだ瞬間、「これは読んだことある」と思った。あらすじを書くとネタバレになってしまうので、最小限に。ちょっと違うかもしれないが、二股かけて何故悪い? という感じ。婚約中の主人公が別の人を愛してしまう。結婚式までの約四ヶ月間を夢中で愛し合う。お互い決して『愛』という言葉は絶対に使ってはいけないということを百も承知で愛し合う。ゆえに二人は苦しむ。激しく苦しく愛し合う。苦しい故にそれは燃える。一瞬に燃えるがゆえに離れても、それが永遠に愛するエネルギーになる。主人公は聞く「臨終の時に、君は愛されることを思い出すか? それとも愛することを思い出すか?」相手は、最初「愛されること」と答えるが、しだいに「愛すること」という風にかわっていく。本来その質問は、婚約者が主人公にした質問だった。ひとを愛することは仕方ないこと、それに背けば自らを背いたことになる。しかし愛することは辛いこと、独占すること。束縛しなければそれは愛ではない。それ故に苦しむ、苦しむ故にそれは「永遠」に形を変える。タイにバンコックを舞台に。

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コメント

こんばんは。
二股ってすごい言葉ですね。
二股って、かけるのもかけられるのも傷つくし傷つけられるし、つらいし苦しいでしょうね。
だから、かけないにこしたことはないけど、かけないと仕方がないときもあるのでしょうね。
私はサヨナライツカは読んだことがないのですが、好青年は読みました。
あの二人は、最初のきっかけは男の女の騙しあいの恋愛だったかもしれないけど、互いに目下の最愛の人だったのではないでしょうか。それは一生、そして永遠に。
言葉に出すことはなくても互いにそのことを知っていたのでしょうね。
小説の最後の場面がデュラスの「ラマン」に似ていると思いました。
サヨナライツカも読んでみますね。

ところで、目下の恋人の表紙の写真、とてもいいなと思います。あれは何の写真だかご存じですか。知っていたら教えてください。では、また!

投稿: chiiko | 2004.10.24 21:54

『好青年』という作品が、『サヨナライツカ』以前にあったとは知りませんでした。
読まなくちゃ!

faceさんの文章(↑)、とてもわかりやすいですね。的を得ているし。
私は小説などの概要を書くのが苦手ですぅ~。

投稿: きむらいあん | 2004.10.25 01:05

こんにちは、chiikoさん。
コメントどうもありがとう。
ストリーは『好青年』と
ほとんど一緒。
舞台が」NYからバンコクへ移ったということと、
その後というか25年後くらいの章があるというぐらい。
そこが一番のちがいでしょうか。
デュラスの『ラマン』という作品は
知りませんでした。今後機会があったら
ぜひ読んでみたいと思います。
『目下の恋人』の表紙カバーの写真
かっこいいですよね。
日本人ではないような感じ、
ウクライナの少女という感じ、
自分も好きです。
ですが装丁がどなたかチェックするの
忘れていました。
ごめんなさい。今度しらべておきます。
ちなみに『サヨナライツカ』
は「K2」でした。

投稿: face(chiikoさんへ) | 2004.10.25 13:23

こんにちは、いあんさん。
『好青年』は
短編集『目下の恋人』のなかにあります。
内容は『サヨナライツカ』とほとんどいっしょ。
『サヨナライツカ』を読まれたら、
『好青年』は読まなくてもいいかもしれません。
反対は別ですけど。
感想を書いてるつもりだったんですが、
概要になってしまいましたね(笑)
いあんさんの言われるように、
自分も本の感想書くのは
前から苦手でした。
いったい何をかいたらいいのか、
だって原作を超える感想なんて
書けるはずないじゃないですか。
でも、映画の感想が原作を超えてる
と思ったモノに一度だけであったことは
あります。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.10.25 13:32

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