« こてこて大阪のブルースはセントラルパークの匂いもする—上田正樹と有山淳司の「ぼちぼちいこか」 | トップページ | 『センセイの鞄』を読んでみた »

2004.08.30

『TUGUMI』を読んでみた

『TUGUMI』を読んでみた。読んでいるうち、「これは前に一度よんでるな!」というのを思い出した。でもなんとなく、物語の展開が予測できない。ということはよほど一回目はピンとこない小説だったんだなと思った。そういえば、吉本ばななは『キッチン』も読んでるけれどもさっぱりわからなかった。しかし、二回目この『TUGUMI』を読んで、しっとりした落ち着いた小説だなと思った。少女を主人公にした青春小説という感じがした。あとがきにもあるのだが、作者が毎夏家族で出かけた西伊豆のことを書いてあるらしい。「その何もなさ、いつも海があって、散歩や、泳ぎや、夕暮れをくりかえすだけの日々の感じをどこかにとどめておきたくてこの小説を書きました」といっている。易しい言葉、読みやすい文章、のわりに奥の深い表現。こんなに難しいことを、よくもこんな簡単な易しい言葉で表現できるもんだなと感心した。やはりタダモノではない。文庫版のあとがきにもあるのだが、「はじめて恋をしたときの世界観、宇宙観で書かれている」とあった。また「その頃の恋はごうまんな人間にはじめて生の風景を見させてくれる」とも。夏の終わりに読む本としてはなかなかいいのでは? つぐみの新しい人生のはじまりで終わります。結構よかったので、日本大学芸術学部長賞をとった『ムーンライト・シャドウ』も読んでみた。これもちょっとSF的だけど、恋人を事故でなくした主人公の微妙な心理が、易しい上手い言葉で複雑に書かれていたって感じ。ブックデザインは祖父江慎さんだった。

|

« こてこて大阪のブルースはセントラルパークの匂いもする—上田正樹と有山淳司の「ぼちぼちいこか」 | トップページ | 『センセイの鞄』を読んでみた »

コメント

faceさん、こんばんは。
よしもとばななの本、私もよく二度読みしてしまいます……。
『白河夜船』は、前に買って読んだのに、また買ってしまい、それすら気づかずに2冊目を読み終えてから、本棚にしまおうとして「うわっ! すでに持ってる!」と気づいたことがあります……。(それ以来、私はすべての読了本をエクセルで管理することにしました。すでに読んでいそうな本は、買う前に一覧表でチェックするのです。)
『TSUGUMI』も持っているはずですが、今思い出そうとしても思い出せません。なぜ???
『ムーンライト・シャドウ』はまだ読んでいない(と思う)ので、これを機に読んでみようかな。

読んだことを忘れてしまう小説って、どうなんでしょう。
小説として、いいのか、悪いのか。
faceさんはどう思われますか?

投稿: きむらいあん | 2004.08.30 22:12

こんばんは、いあんさん。

>読んだことを忘れてしまう小説って、どうなんでしょう。
小説として、いいのか、悪いのか。

あはは、自分がこの本を読んだ場合は一度目はさっぱり良くなかったんですが、二度目のときは、やはり二回読んで良かったと思いました。書く方の問題でもあるかもしれませんが、それよりも読む側のタイミングとか調子とか気分とか、そんなものも大分関係あるかと…。それにそのときの自分の人間的成熟度というか、それを読む下地があるとかないとか。その時わからなくても3年後にはわかるとか、あるいはその反対に3年後にはものたりなくなってるとかもあるかも知れません。ばななさんの場合は、今回読んですごく良かったので、これからバンバン読んでいこうかな? 今の自分にはフィットしてる気がしました。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.08.30 22:31

faceさん、こんにちは。
『TUGUMI』、読まれていたのですね。
わたしも今が読むのにちょうどよかったのかも、と思いました。

そして『ムーンライト・シャドウ』は祖父江慎さんでしたか!
装幀を(内容も)チェックしてみたいと思います。

嬉しくなったので、トラックバックさせてください!
またお邪魔します~。

投稿: ぽち | 2004.08.31 12:59

こんばんは、ぽちさん。
コメントありがとうございます。
こちらのほうからもトラックバックさせてください。
グッドなタイミングで紹介していただいて良かったです。
一回目読んだことも忘れてました。そして二回目、ぽちさんの感想を頭に置きながら読んだらすーっと入ってきたんですよ。どうも有り難うございます。

実は、今日は川上弘美さんの『センセイの鞄』を読みました。これもまた結構良かったです。装幀はキャップ。おそらく藤本やすしさんだと思います。これまたセンスがいい。

投稿: face(ぽちさんへ) | 2004.08.31 20:33

faceさん、こんにちは。お久しぶりです。

さて、このたびは大変申し訳ないことをしてしまいました。
古い記事の整理をしていたら、トラックバックをまた送ってしまったようなのです。本当に申し訳ありません。
お手数ですが、ご裁量により削除してくださってかまいません。
では、これからもどうぞ宜しくお願いいたします!

投稿: ぽち | 2005.04.04 18:12

こんばんは〜、ぽちさん。
お久しぶりです。
全然問題ないですよ〜、ぽちさん。
心配無用です。
トラックバックのほうは
削除しておきます。

こちらこそよろしくお願いします。
栃折さんのルリユールの本。
実は半分くらいまで読みました。
その後ちょっと挫折してます(笑)。
またいろいろその周辺の本をご紹介
してください。

投稿: face(ぽちさんへ) | 2005.04.04 21:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11585/1316660

この記事へのトラックバック一覧です: 『TUGUMI』を読んでみた:

» 『TUGUMI(つぐみ)』 [ぽちぶくろ。]
『TUGUMI(つぐみ)』/著:吉本ばなな 装画:山本容子 装丁:坂川栄治 発行:中央公論社 吉本ばななさんが流行した(?)頃に読んだけれど、当時高校生だった... [続きを読む]

受信: 2004.09.01 00:37

« こてこて大阪のブルースはセントラルパークの匂いもする—上田正樹と有山淳司の「ぼちぼちいこか」 | トップページ | 『センセイの鞄』を読んでみた »