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2004.08.31

『センセイの鞄』を読んでみた

sannpoujinoyuyake.jpg
三宝寺池の夕日。ほんのすこし秋を感じさせる空


 川上弘美の『センセイの鞄』を読んでみた。こんな出会いもあっていいのかというぐらい、恋のはじまる場所としてはふさわしくない一杯飲み屋は奇抜だ。主人公は37歳の独身女性ツキコさん。そのツキコさんが三十数歳も年上でかつての高校の国語教師に恋をする。そして会う場所はほとんど家の近くの一杯飲み屋。酒の肴の趣味が一緒で飲み方も一緒。そんな二人はひいきの球団のことで口をきかなくなったりするが、だんだん仲良くなっていく。センセイは市にさそったり、ツキコさんのほうからもいろいろモーションをかけるのだが、センセイの気持ちがいまいちわかならいが、最後の方でとうとう、センセイはツキコさんにデートを申し込む。そして近くに抱き寄せて、結婚でも申し込むのかと思ったら、「ワタクシと、恋愛を前提としたおつきあいをして、いただけますでしょうか」とくる。ツキコさんはもうすでにセンセイと恋愛をしているつもりになっているのに、ガクッとくる。  
 まぁ、おそらくツキコさんはそんなセンセイの純なところが気に入ってるのだとは思う。普通ではこんなカップルいるの? てな感じの二人だが、それを感じさせないどころか、そんな二人だから出来る純愛。なんと美しいことか。恋愛にふさわしくない二人、そして恋愛にふさわしくない場所、全てが恋愛にはふさわしくないが、リアリティもって愛は純粋さを訴えてくる。現代人の恋愛観に投げかける痛烈な批判だと思う。装幀はキャップ。それしか書いてなかったけど、おそらく飛ぶ鳥を落とす勢いの藤本やすしさん。ベージュのミューズコットンを使ったカバーはやはり品のいい装幀だ。

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コメント

faceさん、こんばんは。
『センセイの鞄』、まだ読んでないんですけど(絶対読みたい本の1つではあります! しかも上位に位置してる)、以前テレビドラマでやったのを観て、胸がきゅんとしました。
ツキコさんの役は、小泉今日子さんだったんですよ。センセイは、柄本明さん。(今、「柄本明」の表記が正しいかどうか確認しようと、タレント名鑑のサイトを見てビックリ! 柄本明さんって、私と同じ誕生日だ! 今まで同じ誕生日の人には出会ったことがなかったのに。)
この2人のかもし出す雰囲気が大好きだったんですけど、だからこそ、原作とはイメージが違ったらどうしようと、ちょっと怖くて手が出せなかったりします。

同じ本を読んでしまう話。
そっか、今の自分に合っていない本だから、頭を素通りするってこともあるんですね。言われてみれば確かにそうですよね。
私にとっては、よしもとばなながそうなのかも。(学生時代は好きでした。)気をつけようっと。

投稿: きむらいあん | 2004.08.31 23:14

おはようございます。

このところ、巡回先blogが本の話題が多く、簡単な本しか読まない私としてはどこにもコメントする機会を逃してご無沙汰してしまいました。<(__)>

夏も終わり・・・読書の秋。
私も皆さんを見習ってちょっと本腰入れて本でも読んでみようと思います。では~!

投稿: ぽっかぽか | 2004.09.01 07:45

こんばんは、いあんさん。
ドラマになってたんですね。
知りませんでした。
主演が小泉今日子さんでしたか。
それは是非見たかったです。
調べたら、WOWWOWなんですか。
うちではそんなの見れないな〜。
でもDVDででてるからレンタルももうすぐですかね。
そうしたら、是非見てみたいです。

柄本明さんは大好きな高田渡の映画を撮った人です。
京都みなみ快感で9月25日からレイトショウであるみたいです。
11月3日が誕生日で同じなんでね。なにかシンクロするものがあるのかも知れませんね。
自分にも学生時代に出会ったそんな友人がいます。彼とは生まれた年まで一緒でしたけどね。よく気が合いました。

自分は原作の方を先に読んだので、
良かったなと思ってるんですが、
映像と原作どちらを先に見るか・読むかはやはり大きな違い。
悩むところですよね。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.09.01 18:17

こんばんは、ぽっかぽかさん。
やはり世間はもう秋なんでしょうか? ちょっと寂しいですかね。虫なんか鳴いちゃって。やはり本でも読もうかな? な〜んて気分になるんでしょうか。いままでぽっかぽかさんには面白いいろんな本を紹介していただいて、「あらしのよるに」とか感想かかしてもらったり、本のチョイスがいつもセンスが良くて、読んでみたいなという気分にすぐなるんですよ。またとっておきの本を紹介してください。また、ここのところほんのすこしご無沙汰してますが、これからもまたちょこちょこおじゃまさせてくださ〜い。 夏休みが終わって一段落されましたか? うちの坊主はなんとか苦しんで宿題終わらせて今日、登校しました。避難訓練だったみたいですけど。ゾンビの館は三日坊主で終わるかなと思ってたら、結構しぶとく続けてるみたいですが、最近どこからもコメントこないとがっかりしてるみたいです。

投稿: face(ぽっかぽかさんへ) | 2004.09.01 18:41

faceさん、こんばんは。
ドラマはwowwowじゃなかったですよ~。ウチも加入してませんもん。
京都みなみ会館でレイトショウですか。(「快感」と書かれてあってビックリしました。ははは。)
映画……長いこと観てないです。子どもに付き合っての、ハリーポッターとアンパンマンを除けば(笑)。

あ、雨が降ってきました。
おやすみなさい。

投稿: きむらいあん | 2004.09.02 00:29

こんばんは、いあんさん。
wowwowじゃなかったですか〜。ごめんなさ〜い。
そしたら、どっかでまた再放送なんかやならいかな〜。
とにかく、再放送かあるいはレンタルのDVDのいずれかで
是非みてみたいです。あっちこっちのぞいたら、
きょんきょんの食べるシーンが下手とありました。
そのへんもチェックしたい。な〜んちゃって。

「快感」ですか? 恥ずかしい〜。よくやるんです。だけどよりによって、こんなへんな言葉に間違えるなんて…。
自分の方こそ脳波の検診をやった方がいいかもしれませんね。
あはは、はずかし〜。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.09.02 19:25

faceさん こんばんわ!
trackbackありがとうございました。
思い出しながら記事書かせて頂きました。
なんかもう一度読みたくなってしまった。そのくらいなんかしんみり気に入った本でした。
その『しんみり気に入る』感が、今賑わってる(?)例のドラマとダブってしまいます。

投稿: eiko | 2005.02.25 19:56

こんばんは〜、eikoさん。
自分も川上弘美さんの
本はこの「センセイの鞄」が
最初でした。
素敵な短歌を作るペンネーム
「青木麦生」さんおサイト
block-notes | 書くことについて
に少し紹介されてたので、
読んでみる気になったのでした。

投稿: face(eikoさんへ) | 2005.02.25 21:20

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この本を知ったのは3年前、その頃加入していたMLの参加者から勧められてずいぶんいろんな本屋さんへ行って探し回ったことを覚えてます。まだネットに詳しくなく、ネット... [続きを読む]

受信: 2005.02.26 11:47

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