

前日ホテルのロビーで「池の平湿原」の可愛い高山植物のイラストがたくさん載ってるパンフレットを発見する。それを見ているうちにだんぜん行きたくなった。息子にはあまり興味が無いかも知れないが、そこは親のわがままを通す。ゆっくりした朝食をとり、目的地をめざす。

霧のなかから突然一本の杉の木が現れた
キャンプ場よりどんどん坂を上り20分くらいで池の平湿原の駐車場に着く。下界は結構天気がいいのに、上の方は雲行きが怪しい。早く、雨が降らないうちに見学してこうようと気がせく。木の梢から霧の滴がポタポタ垂れて、やばいかな〜と思う。気温もおそらく16度から18度くらいだろう。ここは標高やく2000m、霧の中というよりは雲の中を散歩している気分だ。湿原というくらいだから、めったに晴れることはないんだろなと思いながら、木道で整備されたコースを歩いて行くと、季節の高山植物、特にヤナギラン、マツムシソウ、ウメバチソウ、ワレモコウ、ノアザミ、アキノキリンソウ、ヤマハハコ、ハクサンフウロなどの群落が霧に煙っている。おそらく晴れた湿原ももものすごく良いには違いないが、霧の風景も幻想的ないい感じ。俄然、写真が撮りたくなってパチパチ撮りまくる。コマクサは時期がちょっと遅くてもう見れなかったけれど、ヤナギランとノアザミとワレモコウとマツムシソウがちょうど時期で咲き競っていた。特にワレモコウは実のように見えるけれども小さな花が集まっている。色は赤く、「吾も赤い花です」という意味らしい。今回この旅ではじめて知った花だ。それから、辻邦生の小説、「花のレクイエム」に」出てくる九月の花・マツムシソウが時期でたくさん咲いている。なんて偶然なんだろう、紫に近い青がさわやかに霧の風にゆれている。残念ながら他の風景に気がいって写真に撮ることを忘れてしまった。そしてヤナギランの群生がシニアの写真家たちの格好のモチーフになって木道をふさぐ。それに交じってパチリパチリと撮る。湿原のコースは全部トレッキングすると結構な時間になる。僕たちは、一番短いコースを選んで回った。それでも約2時間くらいだろうか。場所と運が良ければニホンカモシカにも遭遇することが出来るらしい。息子は気圧のせいで頭が痛いといって元気がなくなって来たので、できるだけ早く切り上げる。標高1400mまで下がって、レストハウスで遅い昼食をとり、息子には頭痛薬を飲ませる。30分もすると治って元気が出てきた。まだ時間があったのでレストハウスの近くのリフトに乗って反対側の山「つつじ平」へいく。残念ながら、ツツジはもう終わってて見れなかったけどそこは、牧場にもなっていてたくさんの牛さんたちがのんびり草をはんでいた。生まれてはじめてリフトに乗ったせいか、息子の機嫌が良くなってきた。

ワレモコウ。なぜかこの花が気に入った

ヤナギランの群生
かなり疲れていたのでまたまた露天風呂にはいって、さらに100円のマッサージ機で疲れを癒す。夜はもうぐっすり、寝る前には降るような星空。更に1時半頃トイレに起きて再び夜空を見上げると、ものすごい降るような星空。こんなの見たこと無い。息子をたたき起こそうと思ったが、可愛そうなのでやめた。そして翌日その話をしたら、「どうして起こしてくれなかったのか」といって怒っていた。だんだん夜が更けると、風が強くなってきた。テントを中心に場内の木々の風にゆれるざわめきの波が遠くからだんだん、海の波のように迫ってきてテントに迫ってくる、その音が頂点に達しようとするその瞬間、僕は恐怖によって木のざわめきの波に飲み込まれそしてはじけそうになって怯えた。そうやってまた次の朝を迎えた。

ノアザミ
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