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2004.07.24

『あらしのよるに』シリーズを読んで

 だいぶ前、「本日は晴天なり・・・!?」さんの記事に『あらしのよるに』という本が紹介されていた。夏休みに入って息子と一緒に図書館に行く機会があって、子どもの本のコーナーをいろいろ覗いていた。素敵イラストが載ってる絵本などがあって結構楽しい。そして『あらしのよるに』という本を見つけ、借りて早速読んでみた。あらしのよるに、避難したヤギの真っ暗な小屋にオオカミがまた避難してくる。おたがいその正体がわからないまま会話がはずみお友達になってしまう。そして次の日に『あらしのよるに』という合い言葉をきめて再開を約束する。話はここで終わっていた。もし続きがあるならその後二人はどうなるだろう。なんかはらはら気になる終わり方だった。そして息子にその話をしたところ、まだ続きはあるのだという。息子はもうすでに全部読んでいたらしい。そして、その続編、『あるはれたひに』『くものきれまに』『きりのなかで』『どしゃぶりのひに』『ふぶきのあした』というふうに、シリーズ化されていることがわかった。それでまたあわてて図書館にいって、『あるはれたひ』と『ふぶきのあした』を借りてきた。本当は全部借りてきたかったのだが、人気があるらしくこの2冊しかなかった。
 絵の方は一見、下手に描いてあるのだがそれがまた味があってなかなかいい。特に『あるはれたひ』の表紙を見ればわかるのだが決して下手ではないのである。つまりあえて下手に描いた「ヘタウマ」だ。そしその扉のモノクロの絵もすごい、夜空が爆発している。話の方はとうとう、お互いの正体を知ってびっくりする。「おいらだってそうっすよ。おひるごはんといっしょにおひるごはんをたべるようなもんすから」というオオカミの発言は、その当惑を面白く表現していて笑ってしまう。しかもオオカミの語り口、「そうっすよ」とか「たんすから」とうのもまた微笑ましいし、それがまた後から泣かせる伏線にもなっているのだ。オオカミにとってはエサとしてたえず食べてしまいたいという誘惑に駆られながらも、友情をはぐくむためいわばデイトなのだろうかお弁当を食べに岩山まででかけるのであった。ヤギはヤギで食べられてしまうのではないかという恐れをいだきつつも、友達を疑ってはいけいと思い友情を深めていく。そしてオオカミの食べてしまいたい誘惑は頂点に達したかに見えたその瞬間、「こ、こんど、いつ あうっす?」いいですね。友情は愛情へと変わりはじめるのだろうか? そして次の巻へ。
 その次は『くものきれまに』なのだが、いきなり最後の『ふぶきのあした』を読んでしまった。その間話しは結構進んだみたいだ。オオカミの名は「ガブ」ヤギの名は「メイ」になっていた。ガブとメイは秘密の友達になったらしい。でもその秘密が森中にばれてしまい、いられなくなってオオカミ仲間から二人は追われるハメになる。そして「みどりのもり」という理想の土地をめざして二人はふぶきのなかを進んでいった。が仲間との格闘の末ガブはなだれに巻き込まれてしまう。
 ヤギとオオカミの友情物語なのだが、見方を変えると禁断の愛を描いた恋愛小説のようにもとれる。3巻目の『くものきれまに』を読んでいないので、何とも言えないがそうとれなくもない。自分が感じたのは実はインターネットの世界に似ている話だなと思ったことだった。あらしのよる、それは人それぞれ現実というあらしのなかで避難小屋を求めている。そしてある人はインターネットに理解し合える友達を求め避難する。何を隠そうそういう自分がそうなのだ。そして顔も知らない相手とさまざまな会話をする。そして友情を深め、癒し癒される。いままで知らなかったいろんな人や考え方に出会いまた目を開かされそしてまた現実に帰っていく勇気をもらう。ガブやメイのように、そのなかでいろんな物語が展開するに違いない。そしてやはり最後は涙なくしては読めないのである。
木村裕一=作  あべ弘士=絵 ちいさな絵童話

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コメント

読みました。全巻一気に…。

感激しましたね~。
涙がぽろぽろ出てきちゃいました。

これは絶対に長く残したい本です。

投稿: あんず | 2004.07.25 08:45

えっ本当ですか?
いつ読まれたのですか?
それから順番はあれで良かったでしょうか?
ぜひぜひもっと詳しい感想を聞かせてください。

投稿: face(あんずさんへ) | 2004.07.25 09:26

faceさん、こんにちは。
私のつたない記事を参考に、本を読んでくれて本当にいつもありがとう!
実は私、本は「あらしのよるに」しか読んでいません。「テレビ絵本」という子供のための番組で絵本をアニメーションにして、ナレーターは中村獅童さん、音楽も小粋なジャズが流れていてまるで連続ドラマのようでした。子供そっちのけで私が毎日楽しみにしていました・・・。(笑)

ネットの世界に似ている・・・見方を変えたらそうかもしれませんね。理解しあえる友達、いろいろな情報を交換したり、刺激をうけたり・・・顔もみたこともない人たちとこうして離れている友達以上に緊密に話をしあえるのですから。不思議ですね。
がぶとメイのように・・・ね(笑)

投稿: ぽっかぽか | 2004.07.25 10:37

こんにちは、ぽっかぽかさん。
いつも素敵な本や音楽を紹介してくれて
ありがとう。
この話アンド絵とても面白かったですよ。
まだ読んでいない部分を読んでみたいです。
それからトラックバックした後、文字の訂正をしたんですが、そうすると何回もトラックバックされるんですね、申し訳ありませんがよけいなを削除してくださると助かります。

それとこの間のウサギの質問解決しました。背景のことも。よかったら、http://homepage1.nifty.com/torio/usagi01.htm
へいってみてください。
小さな赤い鶏さんが教えてくれました。

投稿: face(ぽっかぽかさんへ) | 2004.07.25 12:05

こんにちは。
私もぽっかぽかさんと同じく「テレビ絵本」で見て、息子が食い入るように観ていたことから、これはいいなぁと思って、すぐさまネットで1冊目の『あらしのよるに』を購入しました。
(テレビでは、中村獅童がナレーションをやっていて、すごくヨカッタんです。ビデオが出ないかなぁと思うくらい。彼はさすがに声色をたくさん持っているんですね。)
が、息子いわく「学校に全部そろってるから、いらんかったのに」。……。
いいもん。母が読むもん。

ponntaくんのお部屋が変わったんですね。
いいな。
ウチのRyanちゃんは地味なお部屋でちょっと可哀想。ふふ。

投稿: きむらいあん | 2004.07.25 18:06

いあんさん、こんばんは。
いあんさんも「テレビ絵本」で見られたんですね。
見たかったな。
再放送はやらないんでしょうか?

ウサギの件
http://homepage1.nifty.com/torio/usagi01.htm
へいってみてください。
背景が選べますよ。
それと、うさぎさんが投稿してくれるんです。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.07.25 20:16

これを教えてもらったのは、去年でした。
友達は全巻新しいものを持ってて、すごくいいよ。って。
私より年上の人なんですが、ロマンチストでね。詩も大好きな人です。

で、大判と、やや小判があって、大判のを読みました。児童書だし、絵本の部類だから、一気に読めちゃいました。
児童書って素敵ですよね。
1巻目から、ぐんぐん引き込まれちゃいました。
faceさんのカキコ通りです。

相手を疑って、そういう自分を疎ましく思ったり…
相手を助けるために、わざと嫌われるようなことを言ったり、でもそれがちゃんと見抜かれたり…
相手のために死ねるって思ったり…
もちろん仲間も大事って思ったり…

とにかくいろんな場面に、心がある素敵な本です。
大好き~♪

ところで
http://homepage1.nifty.com/torio/usagi01.htm
おもしろそうですね。
私も参加させてもらおうかな。(〃⌒∇⌒)ゞえへへっ♪
分からなかったら、教えてくださいね。(*゜.゜)ゞポリポリ

投稿: あんず | 2004.07.27 22:57

うさぎさん仲間ですね。

そうそう大判と中判があるんですよね。
自分が読んだのは中判。
自分も絵本好きです。
まず、すぐ読めるところ。
絵がいい(たいがいは有名なイラストレーターが描いている)。
ついでに、ささめやゆきさんのまで借りてきました。

素敵なお友達がいていいですね〜。

投稿: face(あんずさんへ) | 2004.07.27 23:11

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