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2004.06.15

オリジナルはどこへ行った?

 これはショーロホフの小説『静かなるドン』のなかで引用されたコサックの子守歌だ。

あしの葉はどこへいった?
少女たちが刈り取った
少女たちはどこへいった?
少女たちは嫁いでいった
どんな男に嫁いでいった?
ドン川のコサックに
そのコサックたちはどこへいった?
戦争へいった

 シーガーは、この歌にヒントを得て、『花はどこへ行った』を飛行機の中で20分ほどで作った。その後、ジョー・ヒッカーソンが、短かすぎて盛り上がらないので4番、5番を付け加え、5番から1番に戻るユニークな歌詞が完成したのだった。

 その歌はもとへ戻る。繰り返されても繰り返されても終わらない歌と同じように戦争もまた無くならない。多くの違いをことさら強調するよりも、ほんの少しでも共感したものを共有できることに喜びを見いだせないのだろうか?

 子守歌が小説に引用され、そこから一つの歌が作られ、別の人がさらに歌詞を加え、共同作業の末に完成する。あるいは、それはまだ未完成かもしれない。永遠に思いは引き継がれていくのかもしれない。シーガーは言う。「将来、こんな風に世界ができていくと思う。多くの人が自分たちにできる何かを、少しずつ加えて形になって行く」。それは、彼が思い描く理想の世界なのだろう。この歌が消えて無くなる日が来ることを願いながら、人類はまたこの歌を歌っていく。

※この文章はMy Journal3紹介−−世紀を刻んだ歌 『花はどこへいった〜静かなる祈りの反戦歌』の記事を読んで、ほんの少し感想を加えたものです。

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コメント

リンク先にあった歌詞のなかの、
「いつになったら わかるのだろう」
の繰り返しが悲しかったです。
人類の歴史の中で、永遠に繰り返される戦争……。
なぜ???

私の祖父は第2次大戦で戦死しています。
祖父の遺骨はなくて、木切れがひとつ、木箱の中に収められて帰ってきたそうです。
母は自分の父親の顔を覚えていません。

今年は祖母が亡くなったので、祖母の代わりに母が(もしかしたら私も一緒に)、遺族会主催の慰霊の旅に、来年あたりパプアニューギニアまで行くつもりにしています。

本当に、いつになったらわかるのだろう。

投稿: きむらいあん | 2004.06.17 10:15

いあんさん、こんばんは。
こんな記事書いておきながら、こんなコメントをいただくと重い問題なので、どう返事を書いていいやら悩みます。その木ぎれというのは、お祖父様が亡くなられたであろうと思われる場所にあった木ぎれと言う意味なんでしょうか? だとしたら、なんかそれが非常に悲しいですね。しかもお母様は物心ついていない年頃だったんですね。まさにショーロホフの娘さんが言ったように、戦争は戦場にだけあるのではなく、全ての人に関わるものだということを思い知らされます。お祖母様がその後お母様を育てられたんですね。大変なご苦労だったと思います。
いあんさんもパプアニューギニアまで行かれるかもしれないんですね。この歌のように人類は、何回同じことが繰り返されればわかるのでしょうか。亡くなられたお祖父様とお祖母様のご冥福をお祈りします。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.06.17 20:05

ごめんなさい、なんだか非常に重たいことを書いてしまいましたね。
でも、書いている本人は、割と気楽に書いていましたので、どうぞ読み流してください。

母が祖父を覚えていないというのは、言葉だけ見ればとても悲しいことのように感じらるのですが、実は本人(母)はこれっぽっちも悲しんでいないのです。
最初からいなかったので、喪失感がないのだと思います。
それに、当時は周りの友達の多くが父親を戦争で亡くしていたので、母自身には、自分が片親で育ったという自覚さえありません(笑)。

木切れだけが骨箱に入っていたというのも、当時は珍しくなかったようですよ。
祖父の乗っていた船が撃沈されてしまったので、仕方なかったようです。木切れはおそらくパプアニューギニアのものなのでしょう。(そうじゃなかったらビックリ。)

戦後ずいぶんと時間が経って、戦争を知る世代のか方々がどんどん亡くなって、戦争の不毛さについて忘れられていくことが怖いです。
せめて、間接的にでも知っている私たちが、次の世代の子どもたちに、伝えていかなければ。
私は、少なくとも自分の子どもたちには、話し続けていくつもりです。(特に、戦いごっこの大好きな長男には、折に触れて、くどいくらいに!)

投稿: きむらいあん | 2004.06.18 10:59

こんばんは、いあんさん。
とんでもないです。好きなことを思いきり書いてください。
そうですか、こちらが考えるより当の本人は意外とけろっとしてるんですね。それだけお母様にとってお父様は記憶に無かったということですね。あるいは兄弟のかたが多かったとか、それにしてもお祖母様のご苦労はやはり大変だったと思います。

>(特に、戦いごっこの大好きな長男には、折に触れて、くどいくらいに!)
あはは、そのへんは適当にやったほうがいいかも。
息子はテレビでやってるイラク戦争しか知りません。
自分も含めて、戦争のことを考え、そして伝えていこうと思います。そう言えば自分の亡くなった父親も戦争に行きました。終戦間際に招集されて、青森県へいって、訳も分からず穴をたくさん掘らされ、そしてその穴をまた訳もなくただ埋めて帰ってきたそうです。そしたら戦争が終わった。って聞きました。なぜ穴を掘らされたのかは、今もって謎です。

投稿: face(いあんさんへ) | 2004.06.18 19:22

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