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2004.02.25

空からくるもの

tomiura4-thumb.jpg

こんな詩をみつけた。

谷    鳥見迅彦

もし下が深い谷でなかったら
こんなに両足がすくんでしまいはしないだろう。
自分が人間でなかったら
こんなに魂までひきつってしまいはしないだろう。
抱き岩に抱きついたまま
ながいながい時間がたつ
黒くてかたい鉱物なんぞにすがりついて
じっとしている自分のやわらかい肉があわれだ。
手をはなせば
すなわち落ちる、
すなわち滅。
すごい物理だ。
恐怖の
そよかぜ。
欲望の
ほのお。
またしても天に助けを呼ぶ。
そして自分の不信におどろき、
自分をさげすみながら
けれどもいやしく助けをよぶ。
もし下が深い谷でなかったら
自分が人間でなかったら
こんなはずかしい命乞いを
こんな醜いかっこうで、することはないだろう。

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