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2004.02.24

6弦のアンサンブル

段、クラシックはあまり聴かない。特に交響曲などは大げさすぎるような気がして、なんとなく難解で退屈だ。でもギター曲だけは別だ。悲しい音色が、僕にも解る範囲で適度に複雑に絡み合うところがいい。6弦(10弦というのもあるが)だけのアンサンブルとでも言おうか、つつましく、密かで、豊で、悲しく、シンプルで情熱的だ。

『禁じられた遊び』や『アルハンブラ宮殿の思い出』はかなり前から知ってたけど、ギター音楽をよく聴くようになったのは、NHK教育TVの「ギター講座」を見るようになってからだと思う。当時「ギター講座」の先生は荘村清志氏が先生をしていた。背が高く結構ハンサムで教えるのも上手かった。その次の先生は渡辺範彦氏。申し訳ないけど彼は見掛けもあまり良くないし、教えるのもどちらかといえば下手。でも一人でギターを手にすると別人の様にうっとりする素晴らしい演奏をする。その変化が面白かった。その次の小原聖子氏は演奏するときの口のモグモグが印象的。あのモグモグに心を込めているのがわかる。誰かが言っていた、「涎を垂らしながら演奏する先生もいるらしい」と。何となくわかる気がする。とにかく、それぞれみんな個性的な先生だったと思う。僕はその番組の中で『モーツァルトの主題による変奏曲』を聴いて、引き込まれてしまったのだ。

『モーツァルトの主題による変奏曲』を聞くとき僕は、ロマン・ロランの『ジャンクリストフ』の物語にあてはめて聴く。それはその本を読むことと、NHKの「ギター講座」を見ることが同時進行していたためだと思う。一つの主題が様々にすこしずつ変化してゆく様が具体的にジャンクリストフが散歩したり走ったり立ち止まったり、あるいは喜んだり悲しんだり、苦しんだり、彼の人生模様を音でイメージ出来たのが面白かった。

それから、『盗賊の唄』や『ラグリマ』『スペイン舞曲』『アルボラーダ』『ショーロ』などの曲を知った。失恋したときは、ふとんくるまってギター曲ばかり聴いていた。そして、ブラジルにも素晴らしいギーター音楽があることも知った。特に『ショーロ』はここ何年も聞いていないけども、最近また聞きたくてしょうがない。なかなか図書館で見つけられないのだ。

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コメント

トラックバックがついていました。
私も荘村清志さんの「ギターをひこう」がクラシックギターとの出会いでした。

投稿: メンヒ | 2004.08.04 13:49

はじめまして、メンヒさん。
自分では弾かないのですが、
ギター曲が大好きで。
渡辺範彦氏が今年2月に亡くなられたのを最近知りました。それで渡辺範彦のキーワードで検索しておじゃましたというわけです。演奏は最高に上手かったですよね。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

ところで、僕にとって思い出のLPがあって。
23年くらい前のLPなんです。2枚組で木村なんとかという人の演奏でした。今は無くして手元にありません。ですがそのLPでギター曲に目覚めたといっても過言でありません。特にヴィラ・ロボスのショーロという曲が好きです。でもそれは本当の曲名ではないそうです。とそのLPの解説に書いてありました。そんなLPご存じありませんか?

投稿: face(メンヒさんへ) | 2004.08.04 19:05

「ギターが好き」嬉しいですね!私のような下手の横好きにとっては、当たり前のことみたいで普段意識することはあまりないのですが、他の人の言葉で聴く(見る)となんだかうれしくなります。

ところで「ヴィラロボスのショーロ」ですか?それはもしかしてペルナンブーコ作曲の「鐘の音(鐘の響き)」のことでしょうか?荘村清志さんの講座でテーマ曲として弾かれていました(その時はヴィラロボスの「ショーロ」と紹介された)が。荘村さんのLP「入り江のざわめき」に入っています。違ってたらすみません。

投稿: メンヒ | 2004.08.05 10:33

こんにちは、メンヒさん。
あっ、それそれ。
おそらくそれだと思います。
荘村さんのLP「入り江のざわめき」
を図書館で探してみたいと思います。
どうもありがとう。
また遊びに行かせていただきます。

投稿: face(メンヒさんへ) | 2004.08.05 12:00

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